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答えのないことを考えるのが好きな大学院生のブログ。

通貨の「幅」が値上げへの耐性を高めるのではないかという仮説 ミネソタの歩き方010

こんにちは。

 

今日する話はあくまで想像の範疇を越えないのだが、海外で感じたとあることについて、皆さんと一緒に考えたい。

 

仮説を立てて、今ある方法でそれを確かめるというのが、研究者だと思う。

 

普段からこういうことをしているから研究の道に進んだのか、研究の道にいることで余計に仮説を考えてしまうのかよくわからないが、仮説を考えるのが楽しい。

 

まあそれはさておき本題に入ろう。

 

ご存知の通り、日本の経済は30年間停滞していると言われている。欧米と比べたときの物価の低さがそれを表している。

 

かなり前の記事だが、ガリガリ君が25年ぶりに値上げして10円高くなったことを、ニューヨークタイムズが日本のデフレの象徴のように報じた。

www.nytimes.com

 

つまり、アメリカからすると、「25年でたった10円しか上がってないの?」ということだ。

 

しかも、ガリガリ君のメーカーの赤城乳業は、この値上げを謝罪するCMをしたため、日本の値上げせずに粘る企業努力がありすぎなのでは?と話題になった(正直このCMはコメディー的側面もあるのでそこを真剣に議論すべきかはわからないが笑)。

 

現在、僕はアメリカで生活していて、カフェやスーパーやレストランに行ったりするが、そこでメニュー表やレシートを見て、一つ感じたことがある。

 

それは、1ドルが実際よりも軽く感じるということだ。もちろん物理的な軽さではなく心理的な軽さだ。

 

どういうことかというと、日本でいう100円(今は138円ぐらい)単位が"1"という数字に凝縮されている。

 

例えば14ドルが15ドルになっても、数字的には1しか変わっていないのでそこまで大きな差に感じない。が、実際は日本でいう100円以上の値上げが行われているのである。

 

このようにドルやユーロは、1単位が大きな額を表し、消費者は値上がりに無頓着になるのではなかろうか?

 

逆に日本は、1ドルぶんも上がってなくても、80円とか上がったら、「動いた数」が大きいので消費者にバレてしまうのではないか、そして敏感になってしまうのではないかと感じた。

 

冷静に考えたら計算はできるが、この単位が、友達と話しながらの会計や、急いでいるときのスーパーなど、生活に根付いていることを想像してほしい。

 

「価値」ではなく「単純な数字」の動きが心理に与える影響があると言えなくもないのではないだろうか。

 

もちろんアメリカではセントも使っている。だがレストランや野球場などではドル単位でしか価格表示がないことが多い。1ドルと1ドルの間の値段がないこともしばしばあるのである。

 

また、ほぼ全てカード決済なのも値上げ耐性に拍車をかけているかもしれない。

 

そうこうしているうちに、アメリカでは消費者は自分が思っている以上にお金を払っている、という現象が起きやすいのではないか。

 

これらの理由で、アメリカでは、値上げしても消費が日本ほどは止まらず、値上げしたぶんその企業の利益が上がり、社員の給料が上がり、また新たな消費が生まれるというような、経済にいい影響を与えているのではないか、というのが今回の仮説だ。

 

本来なら論文などを読んで、検証可能な仮説を立てるべきだが、これはただのブログなのでその辺はスキップさせてほしい。

 

こういうワンチャンあり得るような想像をするのが楽しいというだけだ。

そして数人で居酒屋で0時まわってから真剣に議論したい笑

 

ではまた。

 

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