アメリカに来て3週間ほど経った。
やはりこっちに来て感じるのは、発音が悪いと聞き取ってくれないということだ。
先日、スタバでカフェラテのサイズを聞かれたのでtall!と答えていたのだが、2、3回通じなかった。
一応、「トール」とは言わずに「トーゥ」みたいな感じで言っているつもりなのだが、なかなか通じないようだ。
このスタバは家の近くにあるほうで、大学のキャンパス内にあるほうでは僕のtallの発音でも伝わっていたので、留学生の多いキャンパスでは店員が多様な発音に慣れているが、家の近くではそうでもないのかもしれない。
日本人はなぜこんなに英語の発音に苦戦するのか。僕はそれを「カタカナという概念」のせいにしたい。
全ての責任を、カタカナに負わせることで、心を落ち着けようという試みである。
1つ目の理由は、カタカナがあるせいで、全ての英語を(日本人の間では)一応、日本語で表記できてしまうということだ。
別にこれはひらがなでもできるのだが、通例としてカタカナが外来語に使われている。
例えば、スペイン語圏やフランス語圏などのアルファベットを使う国では英単語はそのままアルファベットで書くと思う。文字と発音の組み合わせを覚えてしまえば発音しやすいだろう。
逆に、中国語のスターバックスなんかは「星巴克 (Xīng bā kè)」シンバークーと表すように、中国人は英語の音に関してはほぼ近づけるのをあきらめている。
英語は英語という風に、また別で学んでいくのだろうと思う。
ところが、カタカナはどうか。
日本人の先人たちは、なぜか外来語を自国語で書くのをあきらめずにカタカナで表記しようとした(欧米に負けないぞというプライドもあったのかな)。
その結果、「日本人が発音しやすいなかでは外来語に近づいたが、外国では伝わらない言葉」が誕生してしまったのである。
これの影響が、英語を話しているときも出てしまう。
例えばecosystem(生態系)という単語だが、「エコシステム」といっても伝わらない。
ほんとの発音は、大げさに言うと、「イーコゥシステム」みたいな感じなのだ。
環境=エコと子どものころから刷り込まれてきたせいで、僕もまだまだ気を抜いていると、エコシステムと言いそうになる。
2つ目の理由は、カタカナがあるせいで、カタカナの枠でしか音を捉えられなくなっているということだ。
日本語は、母音が5音しかなく(a, i, u, e, o)少ないらしい。一説によると西洋から東洋に行くごとに少なくなっていっていて、ハワイ語の母音も日本と同じ5音らしい。
それに比べ英語の母音は約15個あると言われている。これに気づかないうちにカタカナで英語を表記しようとしてしまったこと、これが日本人と英語発音の戦いの始まりだったのだと思う。
一度カタカナで表記してしまうと、英語を生で聞かない限り、カタカナだけでは元には戻れないのだ。
要するに、だいじろーさんというユーチューバーの方が作ってくださった以下の図のようなことなので、参照してほしい。
だいじろーさんのYouTubeより引用
最後に、日本人にはなぜかカタカナ発音のほうが正解のような雰囲気がある。
中学や高校でめっちゃ発音よく言ったら浮くような雰囲気もある。
野球で3~5番の打者のことを、ランナーを返す役目という意味でclean up「クリーンナップ」と言うのだが、それを「クリーンアップ」ということはなぜか許されない。
どっちもたぶん違っていて、カタカナで近づけるとすると、clean upなので「クリーナップ」だと思う。
「クリーンナップ」だったらclean nap(綺麗な昼寝)になってしまうが、それが正解のように浸透してしまっているのである。
またYouTubeの話になるが、Atsueigoさんが「英語禁止ボーリング」と投稿したら、「ボウリングですよ」とのコメントが多く寄せられたらしい。
たしかにボーリング調査のような言葉もあるので、分けているのかもしれないが、どっちにしてもカタカナの範疇なのでこのようなカタカナのなかであたかも正解が存在するような雰囲気は極めてくだらないからやめたほうがいいと思う。
音に寄せるなら、歴史のテストでザビエルと書いても、ハビエゥ(スペイン人なので)と書いても、本当はマルにするべきなのだ。
または該当言語の表記で書くとか(これはアラビア語とかでやったら地獄なのでやっぱカタカナありがとう!笑)。
以上が、日本人にはカタカナという概念があるせいで英語の発音が習得できにくくなっているという説だ。
これで供養したので、明日からまた英語の世界を楽しんでいきたい。
日本語を話すのは1億2000万人だが、英語を話すのは20~30億人と言われている。
ではまた。