オオブログ!

答えのないことを考えるのが好きな大学院生のブログ。

生きることへのエネルギー、渇望。アフリカの人たちを見て思うこと。

こんにちは。

 

いきなりですが、現在、土の中の微生物を調べる研究でアフリカに来ています。

 

ケニアマラウイと来て、明後日にザンビアへ向かいます。

 

アフリカはやはり日本より衛生面とかどうなのかわからないようなものは多いし、道ばたでお金を乞うてくる人や、運転の仕方は(地域差はありますが)荒めだし、店で注文してもゆっくりゆっくり店員が動くので、長い間待たされることは日常茶飯事です。

 

キャベツを買い付けに来たのか、軽トラでもない普通の乗用車いっぱいにキャベツを詰め込み、詰め込み過ぎておそらく後ろのドアが閉まり切ってないまま道路を走っていた車から、道路にキャベツが転がってそれを見た僕たちのドライバーが「キャベツ落ちてますよ!」とクラクションを鳴らすという、日本とはもう何もかも違い過ぎて笑っちゃうような光景も見ました。

 

ですが、日本に慣れた僕の目線からこの人たちを見て、尊敬することがあります。

それは、エネルギーにあふれていることです。

 

一日中、野菜を道ばたで売り続け、売れるかもよくわからない手作りの工芸品を交渉で売って、町を行きかう人とよく話し、よく笑っています。

僕たちがお腹を壊すようなものでも壊さないでしょう。

そんなアフリカの人たちのエピソードを1つ。

 

今日は乾季から雨季への変わり目の大雨のなか、僕たちはサンプリングに行こうと、舗装されてない道路を車で通っていたのですが、土がぬかるみ、後輪が泥にはまって動かなくなってしまいました。

 

すると、道路沿いの村から少年たちが飛び出してきて、7、8人でランドクルーザーを押し上げて、助けてくれました。


靴も履いていない少年たちです。そんな子たちが泥の中に足を突っ込んで、協力してくれたんです。

 

あの子たちがいなければ、もし村の近くじゃなければ、マラウイのド田舎に取り残されていたかもしれません。

 

おそらくチェワ語を話しているので、何を言っていたのかは理解できませんでしたが、必死にこっちに引っ張れなどと言って、車を動かしてくれたのでしょう。

 

もちろん、お金はあげましたし、彼らにとってはお金をもらうチャンスというモチベーションもあったのかもしれません。

しかし、車が動いた後に僕とグータッチをした少年の顔。

それを見て、言葉はわからないけど、「ありがとう」と「どういたしまして」の気持ちは通じ合ったと思います。

そして、心底、僕たちを助けようとしてくれたんだなと実感しました。

 

服装も明らかに違うし、僕はスマホもGoProも持ってるし、急に来た肌の色も違う人たち。

そんな僕たちを、農業で生きることで精一杯な彼らが助けてくれました。

 

少年たちと言語が違うのも相まって、感極まって泣きそうになりました。

 

本当に裕福とは何なんだろうって思いました。

 

1日1日を懸命に生きてる人たちのエネルギーを感じました。

僕たちが、平和な日本で、ほとんどの人にとって生活できるのは当たり前の環境で、どこか失ってしまっているようなエネルギーです。

 

町中で人と話しますか?電車でスマホばっかりみてないですか?

 

純粋にエネルギーを生活に発散しているでしょうか。

 

「時間は誰にでも平等にある」って、日本では言えますけど、アフリカの貧しい農家の人にも言えるでしょうか。

 

たしかに、時間は同じかもしれませんが、僕たちは、同じ時間でもより多くのお金・モノを生産できるだけの環境が整っています。

 

しかし、そのおかげで、社会は複雑になり、エネルギーもSNSや人間関係の気遣いなど、色んなところに消費するようになって、何か目標に向かって生きること自体を楽しむエネルギーが弱くなってしまっている気がします。

 

比較的環境に恵まれた日本人の自分たちが、アフリカの人たちのようにエナジェティックに物事に取り組めば、もっといいものを生み出せるのではないかと感じました。

 

時間の使い方はもちろん自由ですけど、こんなに選択肢のある日本に住んでいて、時間をテキトーに使ってたら、なんか彼らに見せる顔ないなって思います。

 

日本に帰ったら、毎日ちゃんとエネルギーを使って生きようと思いました。



今、アフリカでは、日本や中国の会社や政府機関がどんどん入ってきて、ビルや道路が建設され、開発が進んでいます。

戦後の日本がこんな感じだったのでしょう。絶対、発展してやるぞというエネルギーを感じました。

 

周知のとおり、アフリカでの人口はどんどん増え続けています。

 

しかし、その一方で、大地は干ばつによって乾燥し、雨が降れば降ったで土壌流出してしまうような、そんな行き当たりばったりの農業が続けられているのも事実です。

 

未だに飢餓で死ぬ人たちもいます。

増え続ける人口を支えるためにどのような農業を行っていくべきか、政策はどうしていくべきなのか。

世界でもっとも爆発的に人口が増えているアフリカを救うことは、世界を救うことでもあるのかなと感じました。

 

このままただ開発だけが進むと必ず崩壊すると思います。口先だけでなく、本当に「持続可能な開発」が求められています。

また、欧米諸国はかつて植民地にしていたという歴史から、現地になかなか企業などが入り込みにくいと考えられます。

現地に行ってみて、中国や日本、インドがけっこう参入していると感じました。

 

知っての通り?中国製はツメが甘いことがあり、この前も中国がケニアで作った橋が崩壊したようです。

中国も馬鹿にはできないですが、日本の高いクオリティーのモノの需要があると思います。

 

このように、今後のアフリカ、ひいては世界の持続可能な開発を支えるうえで、日本がどうふるまっていくかはかなり重要です。

また、アフリカは、まだ声の大きい人(権力者)の声がよく通るので、大きく変わるポテンシャルを秘めています。

 

例えば、ケニアでは、2年ほど前からスーパーなどのビニール袋を完全に廃止したそうです。

素晴らしい試みだと思います。

日本も環境で最前線を行くなら頑張ってやってほしいです。

最後になりますが、今回アフリカを訪れてみて、この現状を見たのに何もアクションしなければ、僕はおそらく一生何か引っかかったまま生きるんだろうなと思いました。

いつか、土壌などの観点から農法を見直し、アフリカの農業を持続可能なものへとしていけたらいいなと思います。

 

今、修士1年の自分にできることは、その方法を見つけだす一端です。

 

開墾によって土壌中の微生物機能は失われていくのか、などを調べています。

 

すべてを理解することは簡単ではないですが、何か手掛かりを見つけたいです。


長い文になりましたが、今、マラウイで感じているこの気持ちを書き留めておきたかったので、ブログやっていてよかったです。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。