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甲子園中止について

甲子園中止について。

 

新型コロナウイルス感染拡大により、全国高校野球選手権大会(通称:夏の甲子園)の開催が危ぶまれている。大会開催側は中止の方向性で考えているらしい。

 

全国的には無名の公立校ながら、一度は甲子園を目指した者として、この件について思いを書きたいと思う。

 

2020年4月26日、インターハイ(サッカー、バスケ、陸上、その他のスポーツの全国大会)の中止が決定した。

インターハイ高体連(高校体育連盟)の管轄である。

 

これにより、夏の甲子園を管轄する高野連高校野球連盟)も、高体連がどのような経緯で決定に至ったかを参考にするとの報道が出ていた。

 

確かに、どちらも全国規模で人の移動が伴う大会のため、参考にするべきであることは間違いない。

 

この状況で夏の甲子園を開催するなら、「野球だけやるのは不平等だ」という意見も、「野球だけやって感染が広まったらどうする」という意見もあると思う。

 

しかし、せっかく連盟が違うのであれば、判断が違うこともあるのではないだろうか。

 

高体連を見捨てるわけではないが、インターハイ夏の甲子園は性質が結構違う。その違いは、

  1. 競技数
  2. 会場
  3. 予選の時期

 

にあると思う。この違いもふまえて開催を考えれたらと思う。

 

1.競技数
当然だが、インターハイは多くの競技があるのに対し、甲子園は野球のみである。

 

競技が色々あると、競技ごとにウイルスへの対応を話し合う必要があるなど、かなり複雑な対策が必要となる。

柔道やレスリングなどはかなり密な接触をともなうので、競技自体に感染リスクもある。

 

そういった競技が一つでもあると、競技ごとに開催の可否を決定するという難しい判断が迫られる。

 

一方、野球は、ベンチ内での距離感を保つことさえできれば、基本的に密になることは少ないスポーツだと思うし、野球だけに絞って開催までに対策を話し合うことができる。

 

すなわち、開催までの時間を、野球競技・移動中のウイルス対策だけに絞って議論する時間として、比較的効率よく使えるということである。

 

このような面で、インターハイよりも少し開催へのハードルが低いのではないだろうか。

 

2.会場

インターハイの会場が多岐にわたるのに対し、夏の甲子園甲子園球場でしか行われない。

 

一つの会場を重点的に対策できるため、対策コストも小さいのではないだろうか。

 

試合前・試合後の消毒を徹底すれば、人の入れ替わりによるリスクは最小限に抑えられると思う。

 

※ちなみに、無観客は大前提です。

 

3.予選の時期

正直、一番強調すべきはここかもしれない。

 

インターハイの予選は、4月から6月でだいたい行われて、本大会が7-8月に行われるのに対し、

高校野球はなぜか7月から予選が始まり8月に本大会を行うという超過密日程である

 

この過密日程は選手の体への負担が大きいため近年問題視されていたが、コロナ危機からの大会開催だけに焦点を当てればメリットは大きい

 

インターハイは例年なら緊急事態宣言のあった現時点で、予選が開催されているはずであったが、高校野球は例年通りでも、まだ予選は始まってないのである。

 

他の部活が引退していく中、野球部とサッカー部、バスケ部、ラグビー部あたりはなかなか引退しないのはあるあるではないだろうか笑(サッカー・バスケ・ラグビーは、進学校は受験に向けて先に引退するところもある印象がある)。

 

これは、サッカー・バスケ・ラグビーは、冬にも大会があるからであるが、野球の場合はシンプルに夏の予選の時期が遅いのである(↑このへんの部活の人、受験勉強ハードやんな笑)。

 

つまり、高校野球は1で述べた競技数の少なさによる時間的余裕に加え、開催までの時間的余裕もある。

 

これから39県で緊急事態宣言が解除され、6月を目途に他の都道府県でも解除される方針であるが、この解除によって感染が広がらなければ、少なくとも7月の予選には間に合うのではないだろうか。

(自宅待機後の選手の体調の調整期間が設けられるかという課題はあるが、、、)

 

 

まとめ

色々と述べてきたが、責任を負う能力するすらない僕がこんなことを言っても、「お前誰やねん」だと思う。

 

もちろん選手を甲子園に集めるための移動や、予選中の移動自体にもリスクがあることも承知である。

 

そして、競技や感染対策について真剣に考えてくださっている方がいるのも十分に理解しているつもりだし、その人たちには感謝している。

 

しかし、これはエゴ以外の何ものでもないが、高校生がこれまで真剣に打ち込んできたものに挑戦する機会が奪われてほしくない

その一心で、開催を積極的に考えてほしいと思っている。

 

世間では、部活は教育や人格形成の場だから、何とかしてほしいなどの声があるが、僕は教育と部活は関係ないと思うし、選手はそんなこと全く考えていない(帰宅部でも良い奴めっちゃいるし笑)。

 

僕も甲子園を目指していたからわかるが、単純に、彼らはそれに全てを懸けているのだ。

 

どうしても譲れないもの、やってみたかったことを達成するために、来る日も来る日も鍛錬を積んできた。

 

その成果を試す場が、それがないっていうのはもう、どこに気持ちをぶつけていいのかがわからない。。。

 

大学受験の勉強をしてきたのに、その大学なくなりますと、受験2か月前に言われるようなもの?(俺にとっては甲子園のほうがもっと大事やけど)である。

 

比較するために、散々インターハイは厳しい発言をしてきたが、インターハイを戦う予定だった人たちにも、最後に全力で競技できる場があれば本当にうれしい

 

インターハイは中止が決まってしまった以上、全国大会は難しいかもしれないが、都道府県レベルでいいので、集大成を出す機会があってほしい。

 

本当にそれぐらい懸けている人は懸けているのである。

 

甲子園も開催がどうなるかはわからないが、何かしら全力を出せる機会が設けられることを切に願うのみである。